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或る夏の黄昏時に―想―

雨が降り出した
熱を奪っていく
道端の水溜りでは
小さな波紋が浮かび
やがて大きな波紋へと発達する
世界の音はその轟音で支配され
私は絶句する

七年かけて募った気持ち
今こそ実らせるとき
残された時間はあと一週間
わずかな瞬間ときも惜しむことはできない

それなのに……
何故なぜ 邪魔するのですか
何故 今なのですか
どうか
私の願いを叶えてください
一分一秒でもいいので
時間をください と…
この思いがどうか
届くように と……
私は使命を果たすために
この願いを想い 歌う

雨が降り止んだ
熱を帯びてくる
道端の水溜りでは
大きな波紋が浮かび
やがて小さな波紋へと衰退する
世界の音はその轟音から解放され
私は活動を再開する

後世を残すために――